ノピとモザ

2017年7月から2019年7月までモザンビークにて、青年海外協力隊 PCインストラクターとして活動していました。当時の思うことや記録など備忘録代わりに気ままに書いてました。 日本へ帰国しましたが、改めて思うことやカルチャーショックについても書いていきます。フィギュアスケート好きです⛸

フィギュアスケート グランプリシリーズ中国杯の感想

前回の記事から引き続き、より詳しくGP中国杯について

下記、各選手の演技について解説とコメントを記していきたいと思います。

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中国杯には出場してないけど、アシュリー・ワグナー選手

 

 

 

GP中国杯結果と各選手の演技について

順位 名前(国) SP FS 合計
1 アリーナ・ザギトワ(RUS) 69.44 (4) 144.44 (1) 213.88
2 樋口 新葉(JPN) 70.53 (2) 141.99 (2) 212.52
3 エレーナ・ラジオノワ(RUS) 70.48 (3) 136.34 (4) 206.82
4 三原 舞依(JPN) 66.90 (7) 139.17 (3) 206.07
5 本田 真凜(JPN) 66.90 (6) 131.42 (5) 198.32
6 ガブリエル・デールマン(CAN) 70.65 (1) 126.18 (7) 196.83
7 エリザベータ・トゥクタミシェワ(RUS) 67.10 (5) 129.58 (6) 196.68
8 李 香凝(リ コウギョウ)(CHN) 59.20 (8) 115.62 (8) 174.82
9 チェ・ダビン(KOR) 53.90 (9) 112.09 (9) 165.99
10 Amber GLENN(USA) 52.61 (10) 98.53 (10) 151.14
11 趙 子荃(チョウ シセン)(CHN) 50.39 (11) 94.32 (11) 144.71
*2017年11月5日時点

フィギュアスケートグランプリシリーズ世界一決定戦2017|テレビ朝日 より

 

本田真凛選手(日本)


非常に華のある選手で美人だし浅田真央選手以来の華のある才能の選手ということで注目を浴びています。

 

しかし。。。
やはりジュニアから出てきたばかり、ということで表現力がまだまだのように感じます。ジャンプの独特の癖があり、多少の加点はもらえますが、
現在技術力が頭打ちとなっている女子フィギュアスケートにおいてはいかに
ジャンプをきれいにできたかという加点をとれるかが重要です。


現世界女王のメドベデワやカナダのオズモンド、
現世界ジュニア女王で本田選手のライバルといわれているザギトワ選手には加点や細かな一つ一つの動作でかないません。

 

全体的にジャンプが目立つプログラムだったと思います。
フリープログラムはトゥーランドットという壮大な曲なので、
もう少し表現を意識したスケーティングにしたほうがこの曲にはあうと思います。
特に荒川選手が金メダルを獲得した曲ということで、日本人にとっても特別な曲な人が多いと思いますので、今シーズン本田選手は「ジャンプで攻める」というスタンスのようですが、個人的にはジャンププログラムには向かない曲だと考えます。


良かった点としては2個目のジャンプで3-3を予定していたのですが、
2-3と回転が抜けてしまった分を最後の2アクセル飛ぶところで
より基礎点の高い3フリップを入れてきた点です。


まだ採点表を見ていないので何とも言えませんが、回転不足に見えました。

今後の課題は表現力とリカバリーするときに落ち着いて回転不足や転倒のないジャンプを跳ぶことでしょう。

 

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三原舞依選手(日本)


昨シーズングランプリシリーズのアメリカ杯で(まさかの)3位にはいったり、
全日本選手権で3位に入ったりと、今まで病気が元で活躍できていなかった選手が急に脚光を浴びることとなりました。


三原選手って小柄だしなんとなく華もないし、カピバラ?に似てるし(失礼)
あんまりパッとしないのですが、今日本女子フィギュア界では一番スケート&ジャンプがうまい選手だと思います。

 

小柄ですが、逆にリンク大きくつかったダイナミックな演技、
ほかの選手にはない、なめらかなスケーティング(音が鳴らなそうな、かくかくしない滑り)が非常に素晴らしいです。
もちろんジャンプの技術もトップレベル。
ジャンプはいる前の工夫や飛んだあとのきれいな流れは大きな加点が付きます。

 

今回、2アクセルの前で難しい入り(カウンター)をいれたので、
少し詰まってしまいましたが、全体的には非常に見事な出来でした。
スピンもポジション、回転速度申し分ありません。

ほかの選手にないような3アクセルやさらに難しい技があればよいのですが、やっぱりそれはなかなか難しいですね。


課題をいうならば、後半の基礎点が1.1倍となるところで本田選手やほかの多くの選手同様、5つジャンプを組み込んでいます。
フリースケーティングは合計で7個のジャンプしか組み込めないので、
やはり後半はジャンプに偏ったプログラムとなり、表現が少し乏しかったことでしょう。


そのためか、演技構成点(表現力を採点)では、少し抑えられた点数となりました。

 

youtu.be

 

アリーナ・ザギトワ選手(ロシア)


非常にこちらも華、技術力、表現力、スタイル、顔(笑)どれをとっても天下一品の選手です。
ロシアの選手って個人的になんかソ連臭のする演技をするというか、なんとなく好きじゃないんですが、彼女は本当に素晴らしい。

まさにフィギュアスケートのために生まれてきたと思わせるような選手です。


しかし。。。
今回の演技の印象としてはいまいちですね。
まだまだすべりこみが足りてないのかな?という印象です。そうです、彼女はもっと技術点を伸ばしてくる選手です。

 

現女王のメドベデワを破ることができるとしたらザギトワ選手だけですね。
今回は課題であった演技構成点も前回の大会より伸ばしてきて、一流選手と張り合えるくらいになってきました。

 

ちなみに私のオリンピック金メダル予想はザギトワ選手です。
安定感のあるメドベデワ選手とは違い、ザギトワ選手は爆発力のある選手です。
芸術要素もきれいに演じながらもやはりフィギュアスケートはスポーツ。
それをちょうどいいバランスで演じることができる選手です。

 

ザギトワ選手の特徴は女子では史上最強と言われる構成です。(3アクセルがある構成除く)
ただでさえ非常に非常に高難度プログラムのジャンプを7つすべて、点数が1.1倍となる後半に組み込み、さらに高難度ジャンプにかかわらず両手や片手をあげてくる、このクレイジー構成・・・・・・・・。


おまけにスピンもきれいで、柔軟性も申し分ない。
同じジュニア時代を戦ってきた本田選手とは大きな差をつけられています。
ライバルとか言われていますが、ザギトワ選手のほうが2枚も3枚も上に行っています。

新しい時代が来ましたね。。

 

史上最高のプログラムを演じさせるなら・・・
ってことで勝手に頭の中で妄想プログラムとしてこんなプログラム構成を妄想したことがありましたが、
まさか本当にこんな殺人的なプログラムで来るとは。という感じです。

 


ちなみに今回最初に跳んだジャンプ3-3と最後のほうに跳んだルッツジャンプが回転不足に見えました。(採点表は3-3は回転足りていることになってる)
そのためか少し技術点が落ちました。


また、最初のコレオシークエンスは少し退屈に思えてしまったので、
ただ細々せわしなく動かすのではなく、表現力を意識した雄大な振付に変えてほしいなぁと思います・・。

ステップも今回は少し動きが悪かったように見えました。

ジャンプもいつものザギトワ選手であればもっと高く余裕のあるジャンプでさらに加点を延ばせるので、今後に期待したいと思います。

youtu.be


樋口若葉選手(日本)


非常にいい出来でした。
彼女特有の高さのある3-3を2本はじめ、すさまじいスピードからのジャンプもすべて成功しました。
難易度はほかの選手に比べるとやや低い印象ですが、加点で補ってほぼほかの選手と同様の技術点をたたき出しているので、よかったと思います。

 

印象としては前回のB級大会のほうがスピード感や躍動感があって、
樋口選手らしい演技、ボンドガールぽくて良い印象だったのですが、今回は少し抑えめに見えました。
課題としては、やはりつなぎが少ないこととスピンの回転速度とポジションが平凡なこと。


シーズン初めとしては非常にいい仕上がりとなっており、昨シーズンまでの不調がうそのようです。
昨シーズンからシニアに参戦してきた経験がうまく糧となっている印象です。
演技構成点も伸ばしてきたので、さらに点をのばして70点台に乗せていければ、オリンピックでのメダルも夢ではありません。


今回の大会で日本人の中ではオリンピックへ一歩リードした感はありますね。
宮原選手の日本国内での絶対的なポジションも薄まってきているように感じます。
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ガブリエル・デールマン選手(カナダ)


ショートプログラムは曲と躍動感、デールマン選手のキャラクターがぴたりと一致する素晴らしいプログラムでした。
そんなショート1位で迎えたフリープログラムでしたがやはり少し小さなミスがあちこちに出て目立ちました。
ほかの選手がクリーンな完璧な演技をそろえてきただけに余計に目立ちました。

 

昨年の世界選手権でショートが良い演技で緊張するかなと思う中、フリーもしっかり滑りきり、3位となったので、そういったプレッシャーには強くなったのかなと思っていただけに残念でした。

 

本人としては緊張しながらもうまくまとめた演技をした、という感想だったのでしょう。
点数が出た時の不服そうな顔が出ていました。まさかの全体で6位です。1位からずいぶんと落ちてしまいました。

 

そもそも論となってしまうのですが、フリープログラムのこの曲はデールマン選手の
躍動感と妖艶な演技からはあっていないように思います。
オリンピックシーズンということで、がらりとイメージを変えてきたのでしょうが、その辺もマイナスと出てしまった大会となりました。

代名詞である3-3は世界で一番美しいといっても過言ではないほど、今回も素晴らしかったです。

youtu.be


エレーナ・ラジオノワ選手(ロシア)


昨シーズンまでの体の成長による不調から復調してきました。
しかし、同大会にも出場していたトゥクタミシェワ選手同様、ちょっと時代遅れの演技と印象がありました。

(2015年世界選手権 優勝トゥクタミシェワ、2位宮原知子、3位ラジオノワ)


ジャンプの技術力はまあまあある、しかし表現力やジャンプ前の難しい入りの工夫など
細々した要素が足りないのです。
またジャンプも決めるだけで、加点を見込めるほどのものではありません。

 

12歳くらいの体の小さなころから注目して演技を見てきましたが、
成長し体も心も大きくなったにもかかわらず演技内容が全く変わりません。

今後の課題はまず大人の表現力をつけることとクリーンなジャンプ。
スピンやステップ、つなぎなどのひと昔前のままで止まっているので、
1ステップすべてのレベルアップを図ってこないと、オリンピックの出場するのは難しいでしょう。

youtu.be


と、今回はじめてフィギュアスケートオタクネタを出してみました。
モザンビークにいても、ネット回線は意外と動画を画質悪くても見ることができるので、フィギュアスケートを観戦することが可能です。
このシーズンは毎週末にフィギュアスケートの大会があるからファンとしては大忙しです。

今シーズンはオリンピックもある大事なシーズンということで、これからも注目して応援していきたいです。