今回はフィギュアスケートネタです⛸
どうでもいいけどこの時期フィギュアスケートオタクにとってはとてつもなく忙しいんですよね。
年末に全日本選手権、ロシア選手権が行われ
1月冒頭には韓国選手権
中旬にカナダ選手権
下旬には全米選手権とヨーロッパ選手権。
👆これが1番大変。
どっちも追わないと、今シーズンの動きが見えなくなるので。
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ヨーロッパ選手権・全米選手権 総評
簡単におさらいすると、ヨーロッパ選手権も全米選手権も女子シングルは予想から逸れた優勝者となりました。
優勝筆頭だったザギトワやテネルが本番で失敗して、若手に王座を明け渡すという何とも衝撃的な試合流れでした。
どちらも全日本選手権やロシア選手権に比べると、白熱した大会ではなかったですね。
先日行われたロシア国内のジュニア選手権の方がよっぽど熱戦で見応えのある試合でした。
まさかのショート失敗で8位?からの巻き返しで四回転女トゥルソワが復帰してくるとは、、、
観戦して震えました。
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四大陸選手権 総評
さて、四大陸選手権です。
今回の試合は久々にアメリカで行われました。
確か2012年大会以来のアメリカ開催なような、、、
この大会では直前の全米選手権で優勝したワグナーが点数を盛ってもらって、浅田選手を抑えて優勝。
そこから世界第一線で戦うワグナー選手が誕生したわけです。
これは超個人的見解なんですけど、アメリカの観客やジャッジには好みがあると思います。
これはどこの国で試合が行われるか、ということでどこの国にも多少傾向があります。
そしてもちろん自国選手には採点が甘めになります。
今回ショートプログラムを終えた時点で、アメリカのテネル選手が一位でした。
紀平選手が見事な演技を見せましたが、テネル選手も完璧な演技をしたとすれば他国試合で143点ほどの点数くらいになると思うのですが、
148点ほどまでうまく引き上げられて、優勝をかっさらっていったことでしょう。
後でも述べますが、ロシア勢はカルメンの呪い(カルメンを使用しているザギトワ、コフトゥン、コリヤダがヨーロッパ選手権で惨敗)
そしてテネルはロミエとジュリエットの呪いにハマったのかなあ、なんて思ってます。
アメリカ実施の試合採点の傾向として、
アメリカはやはり派手な技(大技)を好む、
意外と若手の「ぽっと出」にはなかなか優勝をさせない、という特徴があるのかなと感じています。
今回もまさに当てはまり、
ショート上位勢は自爆したのもありますが、フリーで大技を挑んで来た紀平選手、トゥルシンバエワ選手が好成績を収めました。
多分他の国で試合してたら、トゥルシンバエワの冒頭四回転はかなりの減点がされていたはず。(かなり回転不足に見えました)
http://www.isuresults.com/results/season1819/fc2019/fc2019_Ladies_FS_Scores.pdf
この結果を見ると、冒頭の4回転サルコウは4分の1以上の回転が足りないダウングレード(三回転)の判定を取られてもおかしくない、と感じたのですが、
4回転をまわりきっての、転倒という点のつき方となっており、非常に疑問を覚えます。
それならみんなとりあえず4回転やるだけやってコケてもいいのかよ、っていう。
これがフィギュアスケートの矛盾、スポーツか芸術か。という点です。
難しい技をどんどん攻めていくべきのスポーツであるか、全体を通してのバランスを重要視する芸術であるか。
それが面白い点でもあるんですけどね。
下記、選手ごとの感想を述べていきます。
- ティン・スイ選手(アメリカ)
まだ無名な選手なのですが、全米選手権フリーで大ブレイクして、ショートの大ミスから大挽回して四大陸選手権出場を勝ち取った選手です。まだまだ若い。
今回ショートは完璧に近い演技で素晴らしかったのですが、全米選手権で勝ち上がったフリープログラムで自爆してしまい大きく順位を落としました。
アジア系でありながら非常にスタイルが良く、両手をあげるジャンプやビールマンスピンは非常に見応えがあり、躍動感が伝わります。
現在は目立たない選手ですが、うまく成長すれば日本勢にとって怖い選手になると思います。
ただお顔がちょっと、、、、、、
- 三原舞依選手(日本)
まとめた演技を見せてくれました。
ところどころ回転不足があり、全日本選手権ほどいい演技ではなかったと思います。
ジャンプもスピンもステップも悪くないんですが、、、、
ちょっと特徴がイマイチなんですよね。
三原舞依といえば、これ!みたいのがないんです。
加点もたくさん取ってこれるけど、やっぱりこの技は私が世界一!というものはトップ層は必要。
そこがあと一歩で世界選手権代表入り逃したり、グランプリシリーズで優勝を逃したり、表彰台を逃したりする、
あとちょっと。
ってなってしまう要因なのかなと。
顔は可愛いんですけどね、、、
なんかそれ以上の感想がない。
今回も上位勢が自爆し、3位になりましたが、
坂本選手の採点の時、コーチが「あらー、まいちゃんすごい順位上がっちゃってるうう」って言われちゃうっていう笑
- トゥルシンバエワ選手(カザフスタン)
見事、銀メダル獲得。
国際スケート連盟認定の大きな大会で表彰台はおそらく初めてだと思います。
今シーズンからロシアの鉄の女と言われる、エテリコーチ(ザギトワの現コーチ、メドベデワやリプニツカヤの元コーチ)のもとへ出戻りしました。
エテリコーチはロシア国内ジュニア選手権つきっきりで、来ていませんでしたね。
四大陸選手権とトゥルシンバエワの扱い笑
エテリコーチの元に戻って、どうなることやらーとかおもっていましたが、
まさかの今回4回転を入れてくる構成で挑んで来ました。
おまけに1.1倍の基礎点となる後半は怒涛のジャンプコンビネーション三連続。
もともと彼女の演技は機械的で特徴なかったので、(まだその特徴は変わってないですが)
3-3も跳べるにもかかわらず、イマイチ良い成績を残せていませんでした。
理由として考えられるのは、
ルッツやフリップなどのジャンプよりも
サルコウやトゥループなどの低難度ジャンプが得意で、これらのジャンプを多くプログラムに入れているため。(あくまでも要因の一つ)
ジャンプの飛び方に癖があるので、
ルッツやフリップを多く入れたとしてもあまり加点が狙えないため、低難度ジャンプで確実性と加点を狙う方向できていたのだとおもいます。
ルッツもフリップも両手上げて飛んで、かなり難しいはずなのにあまり綺麗な姿勢ではないので加点があまりもらえず、、
4回転を入れるメリットは、そもそもの基礎点をあげられるということはもちろんありますが、
それ以上に入れられるジャンプの種類を増やせることに女子選手は大いなる恩恵があります。
一つのプログラムに入れられるジャンプの種類については、ザヤックルールによって制限があります。
ですが、ややこしいので割愛します。
「ザヤックルール」で調べれば分かりやすいスケートオタクの解説がたくさん出て来ます笑
要は同じジャンプばっかり入れちゃダメよーってルールなんです。
ここで「4回転サルコウ」という技を新たに入ることで、今まで基礎点の低いジャンプを仕方なく入れていたのを外すことができます。
今回トゥルシンバエワ選手は4回転サルコウを入れたことで、
という基礎点の高い三連続を後半の基礎点1.1倍になるところで入れられた。
これが得点を伸ばす大きな要因になりました。
このようなやり方で試合を望むのはエテリコーチの特徴で、他のコーチはあまりに体への負担が大きい4回転は女子選手に試合で臨ませない場合が多いですが、
果敢に4回転を挑ませることで、
フリープログラムの中で入れられる7回のジャンプのうち他の6回のジャンプに選択肢を増やし、その6本で高得点を稼ぐ構成にして来ます。
なかば4回転は捨て技みたいな。
4回転は認定されすれば転倒してもダブルアクセルより点数を稼ぐことができるのです。
4回転認定されればラッキーみたいな。
まあそれも戦略としてありっちゃ、ありなのか。
世界選手権では通用するかどうか、、、
は微妙ですが、ジャンプ加点を狙えない彼女がさらに上を目指すのであれば
怪我のリスクを押してでも挑戦する価値はあるのかもしれません。
現に四大陸選手権で結果を残してしまったので、、、心配です。
- リム・ウンス選手(韓国)
韓国期待の新星 女子選手。
まだ15歳にもかかわらず、かつてのキムヨナを彷彿させるような大人っぽさや色気、感情表現をします。
ジャンプも非常に大きな高難度の技を跳ぶことができます。
彼女自身の才能もですが、現在ジャンプ指導で定評のある、アメリカのアルトゥニアンコーチの元で学んでいます。
というわけで今後の伸び代が楽しみになります。
アルトゥニアン配下だと、少しジャンプに偏りがちなプログラムになる傾向はあるのですが、
韓国国内で韓国人のコーチに習うよりはずっと良いでしょう。
今回の四大陸でもショートは四位発進で、好成績残せるかなと、期待しましたが、残念。
韓国選手権では惜しくも二位、今回もあまり良い演技ではありませんでした。
フリーは少し調子が悪かったのかな。
いつもよりスピードがあったのが印象的でした。
ただいつもよりジャンプを高く飛びすぎな印象で、つま先のトゥをつくジャンプの飛び方を変えたため少しタイミングが狂ったのかな、と感じました。
ルッツやフリップを踏み切るタイミングが少しいつもの彼女のタイミングではありませんでした。そこからバランスを崩した失敗だと思います。
課題はつなぎとメンタル。
前半でうまくいかなかったときの切り替えが重要です。今回は冒頭の3-3のミスから最後まで払拭できずに終えてしまった感がありました。
ただ若干15歳にして、大人の魅力や表現と質の良いジャンプ。日本人には出さない演技だと思います。
- 紀平選手(日本)
本来の調子ではなかったのかな、と感じます。
ただ今シーズンの紀平選手で1番素晴らしい点は、「調子が良くないときもまとめられる力」
これは今までの天才 浅田真央選手も安藤美姫選手も伊藤みどり選手も
若い頃は持ち合わせていなかった能力だと思うので非常に素晴らしい点だと思います。
ジュニア時代から才能はありながらも、大きな大会では目立たなかった紀平選手がここに来て大ブレイクしてきました。
急にメンタル強くなったのはなぜだろう、、、
プレッシャーがかかる場面のはずなのに
(今大会で優勝か、それ以外の結果で紀平選手へのジャッジの評価がかなり変わっていた)
やるべきことをしっかりとこなす。
本当にすごいことだと思います。
トリプルアクセルを一本に絞り、あとをまとめる演技、、、
文字にすると簡単な逃げの構成にしたように思えますが、
女子の構成ではこれでも非常に高難度。
トリプルアクセルを入れなかったとしても、他の要素が素晴らしすぎてまだ他選手と十分に対抗できる構成です。
基礎能力が備わった上の大技構成なので、今シーズンは向かう所敵なし状態なのですね。
全日本選手権は残念でしたが、それ以上にグランプリファイナルと四大陸選手権というかなり大きな世界大会で優勝しているので、
シニア一年目にして、演技構成点70点台という一流選手としての称号が与えられています。
宮原選手がシニア参戦3年以上かけて手に入れたフリー演技の演技構成点70点台を
もらえた。
これはジャッジから見て、「世界選手権 表彰台圏内選手という格になった」ということを意図します。
世界選手権 表彰台候補のロシアのザギトワやアメリカのテネルが今シーズン 微妙なところを見ると、
日本選手3人で表彰台独占も大いに考えられます。
世界大会で地道に評価を勝ち取って来た 宮原選手、
今シーズングランプリシリーズ全勝、四大陸選手権制覇で、世界的知名度急速にあげた紀平選手、
全日本選手権優勝で日本エースの「格」を手に入れた坂本選手。
ただショートの感じだと坂本選手の評価がまだまだ低かったですね。
個人的印象は坂本選手はアメリカの大会に少し縁がないようにも思えるのですが。
- ベル選手(アメリカ)
ショートプログラムは非常に素晴らしい出来でした。
本来の彼女のジャンプを飛べばもっと点数を3〜4点ほどは伸ばせたと思うのですが、、、
何しろプログラムが良い。笑
今シーズンの中で宮原選手と並ぶ好きなプログラムです。
セリーヌ・ディオンの曲に合わせて、緩急をしっかりつけた素晴らしい作品。
打って変わりフリーはあまり好きじゃないです、、、
競技用と言うよりは、ショーのようなプログラムだなーと言うのが印象です。
技の構成が独特で少し面白いです。
本来綺麗なジャンプ軸を持つのですが、何にしろメンタルがかなり弱い。笑
2017gpsアメリカ大会で見せたような素晴らしい試合を次いつ見られるかと、ずっと待っているのですが、
この試合で脚光を浴びてからと言うもの、プレッシャーのせいなのか成績もイマイチ、ジャンプの質も劣化したように思います。
ただしかし、スピンは素晴らしい!
スピンや技とのつなぎ、表現力が上がり、今回のフリーのような曲でも十分に魅せられる選手に成長したように感じます。
今回は最大の得点源となるはずの要の三連続ジャンプが失敗したことが非常に点数に影響しました。
終わって戻った後、すぐにコーチにすごい難癖つけられていましたね笑
ただ真摯に受け止めてたようだったので、世界選手権までには改善していることでしょう、、、。
冒頭も述べましたが、今シーズンのフリーは
今までとは異なった戦略で、技術面ではなく、芸術面を伸ばそうとするこのプログラムは一風変わっていて面白いと思います。
トップ狙うのはやめたのかなー。って気もしなくはないけど笑
- テネル選手(アメリカ)
完全に今シーズンの不調は「ロミジュリの呪い」だと思います笑
あとはちょっとすぐには思いつかないですけど笑
ブレイクしたシーズンの翌シーズンに、ロミオとジュリエットの曲を使用すると、
全く結果を残せなくなる
と言う不名誉なレッテルがフィギュア界には存在するのです笑
テネル選手は昨シーズン見事に無名な選手だったにもかかわらず、グランプリシリーズアメリカ大会でいきなり表彰台入りからの
全米選手権優勝、
オリンピック出場
と、素晴らしいブレイクを迎えてからの今シーズンです。
しかも練習や本番の体の動きを見ると、おそらく決して調子は悪くないのです笑
しかも技の構成はかなりの攻めの構成。
今シーズンのシニア女子選手では、紀平選手、トゥクタミシェワ選手、先ほどのトゥルシンバエワ選手に次ぐ、
ザギトワと並ぶかなりの攻めの構成です。
テネル選手の素晴らしいところは難易度構成が可能、メンタル強い点です。
今シーズンは呪いにやられてるけど、、、、
課題だったのは表現力とつなぎの部分。
しかし、シーズン進めるにつれ、かなり改善されて来て、表現面では感情を込めすぎて
顔がかなりすごいことになっちゃってます、、、、笑
つなぎもかなり改善されて、最後のジャンプのサルコウの入り方なんかはかなり独特で難しく、工夫されていると感じます。
けど加点低いんですよねー。
今シーズンの鍵は新しく組み込んだ超高難度ジャンプ、2番目にある3ルッツ-3ループと
後半冒頭にある3ルッツ-3トウループ
なのですが、
冒頭の3-3でのミスが今シーズン多いですね。
今回も二個目のジャンプが抜けて一回転になるミスでした。
やはりセカンドループは回転不足にもなりやすいしかなりリスクが高い。
基礎点もトゥループとはそんなに変わらないし。
ただザヤックルールの点でも有利なんですよね。セカンドループいれられると。
後半3-3も加点稼げずに、さらに回転不足の判定でした。
私個人としては気合があり、全体的にスピードあり、ジャンプにミスはあったものの、入りの前に工夫はあるし、
ジャンプ以外のスピンやステップも洗練されていて良かったように感じましたが、回転不足に泣く結果となりました。
勝てたはずの試合にミスが出て落とす。
今シーズン全ての大会、勝てたはず、の試合だと思ってます。それを全て落としてしまったので残念です。
冒頭に書いたように、アメリカの試合だから完璧にすれば紀平選手に勝たせてもらえたはずと思うんですよね。
今後の課題は加点をもらうこと、そしてまだ少し足りない、技と技とのつなぎ。
今回は難しい技ばかりすぎて演技が負けてる ジャンプだけの演技、って感じがしました。
- 坂本選手(日本)
ようやく最後です。坂本選手。
最初からいつもの元気さや自信が少し感じられませんでした。
冒頭3-3で軸がブレかけましたが、なんとか戻す、といった素晴らしい点も見られましたが、
課題のスローパートと
得点源の後半2アクセル-3トゥループ-2トゥループ で失敗してしまったのがかなり響きました。
その後の3フリップ-2トゥループに3つ目ジャンプをくっつけてリカバリーできればよかったのですが、動揺からなのかできず、
最後のループにコンビネーションをつけました。
坂本選手、ループジャンプは非常に得意で、ショートプログラムでかなりの高得点の加点(2点以上)をもらっていました。
そんな質の良いジャンプを持っているのに、1.5点ほどの基礎点の2トゥループをつけるべきなのか。
一つ目が綺麗な流れで飛べるジャンプだったとしても、そこからコンビネーションにするとどうしても流れが止まってしまいがちになるんです。(=加点をもらいにくくなる)
それがエッジ系ジャンプのループジャンプだとなおさら。
ミスをした時のリカバリーの仕方の対策が少し足りなかったのかな、と感じました。
またそもそも論アメリカと相性悪い?笑
最後コーチにも「しゃーない」とか言われていましたが、本人はかなり悔しそうでしたね。
この悔しさをバネに世界選手権は日本開催なので、完璧な演技を見せて欲しいです。
五輪出場はしていたけど、意外と世界選手権は初めてなんですよね。
いい演技の試合が続いていたので、四大陸で少し悔しい結果、というのは逆に良かったのかもしれません。
ヨーロッパ選手権と違って、公式には同等の扱いの大会(つまりすごい大会)なのに、なんとなく選手の中での評価がイマイチなんですよね、四大陸選手権って。
開催時期も微妙だし。
と、言うわけでつなぎの大会と考えて前を見据えて頑張ってもらいたいです!
頑張れ日本三選手!!
目指せ世界選手権表彰台独占!!!